建売・新築一戸建ての「原価」の仕組み
公開日:
更新日:2020/12/25
カテゴリー: 知って得する不動産のあれこれ『失敗しない』『失敗したくない』住宅探しのポイント「物件価格 上級編」
3.「新築一戸建ての原価を知る」という事。
建売・新築一戸建ての「原価」の仕組み
※原価は「土地に関する原価」と「建物に関する原価」に大別されます。
※以下原価項目及び金額は、平坦地で1件の場合。
【土地に関する原価】
1.土地仕入金額・・・市場価格の70%で仕入
2.建物解体費(古屋がある場合)・・・150万円
3.敷地測量費・・・30万円
4.地質調査費・・・10万円
5.銀行借入金利・保証料・・・30万円(土地仕入金額及び借入金額による)
6.登記費・・・30万円
※例 更地で2000万円の相場価格の土地の場合、
2000万円✕70%≒1400万円-100万円(解体費)≒1300万円
1300万円+250万円(2~6合計)≒1550万円(土地に関する原価合計)
【建物に関する原価】
※建物面積100㎡の2階建ての場合。
※大手ビルダーの場合
1.建物建築費・・・700万円
2.外構・植栽工事費・・・100万円
3.造成費・・・50万円
4.建築確認費用・・・10万円
5.性能評価・地震保険費用・・・10万円
6.地盤改良工事費・・・50万円
※例 建物に関する原価合計920万円
※例 建売・新築一戸建ての原価は合計2470万円≒約2500万円
※例 販売価格 土地2000万円+建物1100万円≒3100万円
上記内容から販売価格-原価≒600万円(利益)となります。
3100万円で、成約できた場合600万円の利益ですが、
簡単には成約できません。そこで、値下げが入ります。
売主(不動産会社)は、事業として建売住宅を販売していますので
利益確保は絶対です。
この場合▼600万円以内が最大の値下げ金額となります。
※赤字での値下げや交渉も0ではありませんが、特例です。
お客様が、不動産会社(売主)の心理と原価を理解するということは、お客様にとって「交渉のタイミング」と「交渉幅(値引き可能額)」を、予測できるということになります。
知識としては、ここまで理解されれば充分です。
次は、具体的行動です。
【重要】
1.希望の物件が見つかったら、建築中であっても、ご家族での下見を繰り返し行い、立地や周辺環境・周りの建物・学校や駅までのおクセス経路等、建物以外の内容を確認しましょう。
2.希望の物件の建物完成に近づいたら、価格の推移(値下げ状況)を確認し、『何時』『誰に』この物件の内見依頼を相談するか判断しましょう。
3.▼300万円程度の時期に、内覧を希望され物件のことやローンのこと、その他、心配な事柄をクリアーにしておくことが必要となります。また、多棟現場の場合は売れ始めると一挙に成約が進んで行きますので、どの棟が成約しているのか確認も必要です。内見希望の依頼をしましょう。
4.内見希望を依頼する相手『誰に』は、できるだけ信頼できる方に依頼したいものです。心当たりのない方は●●会社が一般的ですが、●●会社のホームページや、Googleの【口コミ】を確認し精査します。確認後、●●会社のスタッフ紹介を確認し、個別営業担当者に連絡してください。『誰に』依頼するかはとても重要です。
5.どの物件を検討・内見するかは、成約するまで、何度でも繰り返しが効きます。また、『誰』を通して内見・成約するかも、お客様の自由です。全く別な事柄として理解ください。営業担当者に不満や不安を感じたらチェンジしましょう。
物件も、営業担当者も見極めがとても重要です。適切な方にご相談ください。
6.内見や相談したからと言って、その場で「購入申込書」の記入は不要です。現段階で価格交渉ができるか否かを、できる場合はどの程度の金額かを相談者(営業担当者)に確認してもらいましょう。
7.希望する物件と、営業担当者と、心配なことがクリアーされたら後は物件価格の交渉に入ります。交渉はお客様の意思表示が必要です。この段階で「購入申込書」を確認記載します。当然、購入希望金額を記入し交渉に入ります。
※上記内容は、全ての物件に当てはまるものではありません。また、「購入申込書」提出順に交渉となりますので、先に別な方が交渉権を有する場合もありますが、慎重にタイミングを図りたいものです。
『失敗しない』『失敗したくない』住宅探しは、『お客様のご家族の幸せ』を左右する一生に一度の大切なお買物です。拙いレポートですがご活用下さい。