「マンションor一戸建て」編 【居住性能の違い】
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カテゴリー: 知って得する不動産のあれこれ
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3.「マンションor一戸建て」編 【居住性能の違い】
マンションと一戸建ての居住性能を比較する上で、先ず、理解したいことは、「居住性能」とは何かという事です。
私の、各個別物件詳細ページのコメントによく出てくる言葉として「居住性」と言う言葉を用いています。
この場合「居住性能」と「居住性」は同意語としてご認識ください。
それでは、「居住性能」をご説明します。
「居住性能」は、「家」として、人が住む上で必要な性能です。
「断熱性」「防音性」「通気性」「採光性」「耐震性」「耐火性」「耐久性」「省エネ性」「維持性」など、人が住む上での居住に対する様々な性能です。
これらの性能を、最低限確保するためにすべての建物は「建築確認」を取得します。
さらに、「建築確認」以上の性能を確保するためには、「住宅性能評価」などの評価基準を満たした上で各所への手続きと検査を経ます。
これら上記の「建築確認」「住宅性能評価」は、売主以外の第三者機関の「お墨付き」として認知できます。
「建築確認」「住宅性能評価」等の基準をクリアーしている前提で、「居住性能」を語る上で、最も重視したい性能は、「快適性」です。
日本は、高温多湿で寒暖の差の厳しい、気候・風土を有しています。
「快適性」とは、日本の気候風土に適した、「家」の中にいるときの「心地よさ」の性能です。
例えば、「映画館」で生活していると想像した場合、あなたは「心地よい」と思いますか?
例えば、「地下室」で生活していると想像した場合、あなたは「心地よい」と思いますか?
ともに、機械以外での「明かり」「風」「湿度」「温度」をコントロール術はありません。
「快適性」とは、「太陽の恵み」と「自然の換気」と「調湿素材」が生み出す、機械以外での自然コントロール術です。
「居住性能」の中で重要なのは「快適性」です。
「快適性」は、「通風」「採光」「陽当り」です。
「通風」「採光」「陽当り」は、『開放性』がもたらしてくれます。
それでは、マンションや一戸建ての『居住性能』を比較してみます。
1.建物の「構造」上の違いによる居住性能の違い。
マンションはコンクリートと鉄筋・鉄骨で躯体が形成されています。
コンクリートは、湿度の調湿作用はありません。それに比較し、一戸建ては鉄骨か木造で
構造躯体(柱)が出来ています。一般的には木造が主流です。また、鉄骨造の場合であっ
ても、壁は木造です。木は湿度の調湿作用があります。
また、コンクリートは熱伝導性が高く、木造は熱伝導性が低いです。
夏の、道路から蒸しかえるほどの暑さを感じるのと同じです。
2.建物の「間取り」の違いによる居住性能の違い。
一般的なマンションの間取りは、左右・上下に他の「家」が有るために、窓をつけられ
る所は、ローカ側とバルコニー側です。
それに対し、一戸建ての場合は一部屋に対して通常2箇所の窓が設置されています。通常10~15箇所の窓があります。
窓からしか、風や明かりは入りません。当然、「通風」「採光」「陽当り」が確保されや
すい事になります。
窓の数は、『開放性能』に直結します。
3.建物室内から外に対する「内外環境」の違いによる居住性能の違い。
マンションの場合、玄関の外はローカです。ローカはパブリックな場所です。室内と
室外を繋ぐ「緩衝エリア」が存在しません。
「緩衝エリア」とは、他人との緩やかな関係を構築したり、我が家としての安心感につ
ながるエリアです。
一戸建ての場合、玄関の外は玄関ポーチです。自分の私的な「緩衝エリア」です。
また、リビング前のバルコニーと庭の違いは他人とのコミュニティーの場として違いが明確です。
4.建物の「外部環境」の違いによる居住性能の違い。マンションは通常、上下・左右が他の家と壁一枚で隣接しています。当然、外部の自然の恵みを享受出来るのは、外部に面しているリビング側窓とローカ側窓となります。南向きの建物の場合、南と北側に窓が設置されることになります。窓からしか、明かりや風は入りません。「開放性」は2方向となります。
一方、一戸建ての場合は4方向が開放しています。更に、敷地の広さや、周りの建物の配置により「開放性」は高まります。
一戸建てに無い、マンションの利点も数多くあります。
マンション購入者の共通な購入選択要因は、
①利便性・・・駅チカや、鍵一つで管理できること。
②防犯性・・・オートロックや管理人
③耐震・耐火性・・・コンクリートは燃えない
④眺望性・・・高い所からの眺め
⑤独立性・・・近隣・地域との関わり方と閉鎖性
などが挙げられています。
本当に真実と言えるかどうかは別にして、様々な事柄がマンションの利点と考えられています。
私は、マンションor一戸建ての「居住性能」は、明らかに一戸建てが上回ると思います。
ただし、「居住性能」以外のエリア・立地に伴う利便性も住宅にとって必要な要素で有ることは、疑いようのない事実です。
住宅には、様々な要素が複合的に関係します。お客様ご自身にとって、何が優先項目なの
かの判断が重要かと思います。
『失敗しない』『失敗したくない』住宅探しは、『お客様のご家族の幸せ』を左右する一生に一度の大切なお買物です。拙いブログですがご活用いただければ幸いです。
お客さまの幸せを心から願っております。
株式会社ハートフルホーム
松澤 利美